暇つぶしに賭け事でもしようか

「暇つぶしに賭け事でもしようぜ」

彼がそう言って来たとき、私は何も考えずに乗った。

元々そういうのは好きな性分だしこういった事で彼が何か仕掛けてくるとは考えなかった。

「なぁ、メフィスト」

だから、彼の言葉を聞いたとき、自分という悪魔も随分間抜けになった物だと自覚した。



「俺が勝ったら俺のもんになれよ」



「……なんの冗談です?」

「いやほらまぁ、もうそろそろ、観念する時じゃねぇかと思うんだよな。お前が」

いつも茶化して逃げ出してただろ?なんて。誰のためだと思っている。

「あなたはずるいですよ」

「どっちがだよ」

要するに私達二人はどちらもずるいのだ、こんな機会が無ければお互いに愛の言葉さえ囁けないのだから。

「……私が勝った場合の条件を言ってませんでしたね」

「おう、何でも言え。どうせ俺が勝つんだから」

彼がざりざりと顎をさすりながら答える。

「あなたが私のものになってください」

ざり、と音が止まった。


暇つぶしに賭け事でもしようか


暇つぶしに賭け事でもしようか
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神父に顎をさする癖があったら私だけが楽しい。



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