大吉

今日一番運勢が最悪なのは、うお座のあなた。
ちょっとのミスが命取りになりそう。なんでも安請け合いしない方がいいかも。
でも、そんなあなたの開運アイテムは――

「なぁ雪男、今日俺運勢最悪だってよ。朝ニュースでやってた。」

弟にその事を教えてやる。あぁでもこいつ占いとかあんま信じねえわ。

「兄さんまだそんなの信じてるの?」

案の定呆れ顔の雪男。

「兄さんが運勢最悪って事は双子である僕もそうなんだけど?」

「お前いっつもこの世の終わりみたいな顔してるじゃねぇか。運悪そうな」

「誰のせいだと思ってるの?」

「ごめんなさーい」

本当に反省……している訳ないか、と眉間を押さえる雪男。

「大体ね、兄さん。占いなんて無難に、皆心当たりがある事しか言ってないんだから。」

「そうなのか?」

「そうだよ」

「そういや今日のラッキーアイテムは黒縁眼鏡らしいぜ」

「兄さん今僕の話聞いてた?」

というか僕の顔をじっと見ないでくれる?ねぇ、と言われるが無視。

そういやこいつは大丈夫か。黒縁眼鏡で相殺だろうし。運勢。

「……わかったよ兄さんにも一個貸してあげる」

「何を?」

「眼鏡」

ほら、と渡された雪男のスペア眼鏡。

「あ、ありがとう?」

「なんで疑問系なの」

それで相殺されるんでしょと雪男はこっちを見ずに言う。

「おう!」

これできっとくじで大吉でも当たりでも引けるはずだと言うと雪男は
それじゃ相殺じゃなくて明らかにプラスでしょと言った。

「可愛くねぇのー」

大吉

大吉
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