宿り木

私の中に宿り木のように根を張っていた言葉は、どれもこれも悪意の塊だった。

「悪魔の子だわ」
「お前なんて生まなきゃよかった」
「気持ち悪い」
「化け物」

その言葉たちは皆私の心に根を張り、私の心を傷つけていった。


だけど、あの日、

「ネクストってのはな、」
あの方の言葉は、私の心のいやなものを根こそぎ壊していった。
「だからもっと、誇りを持て」
そして、私の中に新たな種をまいていった。
それは私の中に根を張った、初めての、幸せな感情と、確かな恋心。

今まで生きてきた中での、一番のプレゼントだなんて陳腐な表現だろうか。


「あの、ジェイク様」
「うん?」
「私の心には何が見えますか?」
「俺の事だけだな」
即答で返ってくるその答えが嬉しい。
「…………」
無言で頭をがしがしと掻くジェイク様。
「どうかなさいましたか?」
「なんでもねぇよ、クリーム」
(ああ畜生、お前の心の中には俺の言葉がわんわん響いてやがる、それと俺への恋慕もだ!)
「お前本当に俺が好きだな」
「当然ですわ!」

宿り木

宿り木
----------------------------
こっぱずかしい。



[目次]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -