ここまでおいで
またあいつの機嫌を損ねてしまった。
あいつの喜怒哀楽のツボは自分にはよくわからない。仮にも彼氏の地位にいるが。
「今回はさすがに俺が悪いからなぁ……」
とりあえずあいつを追いかける。まだ道の向こうに見える程度にしか逃げられていない。
だから、すぐ追いついた。この隙に謝罪をする。あと言い訳も
「だから、携帯をうっかり壊しちまったから連絡できなかったんだよ。悪かった」
「トムさんに携帯借りればよかったのに」
「あ」
「思い至らなかったのね」
呆れた顔をされるという事は怒りがおさまる兆候だ。
「次から気をつける。遅くなるときはとりあえず何かの方法で連絡する」
「うい」
そう言ってこいつはたたたと俺の横を走りぬけさっきのように先に行く
「?」
俺が怪訝な顔をするとあいつはにまっと笑ってさらに先に行く
「静雄さーん、ここまでおいでー」
「おい」
俺が呼びかけても足を止める気配はない。
「……たっく」
しょうがないので小走りであいつを追いかけた。
ここまでおいでここまでおいで
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しずいざでもよかったn
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