僕と君と
僕が彼女に初めて会ったとき、僕は塾生で彼女は、僕の同期だった兄を毎日迎えに来ていた。
「私と同い年で兄ちゃんと同じ事できるなんて、雪男君はすごいね!」
きらきらした目でそう言われた事を覚えている。
「全然そんな事ないですよ」
「そんな事あるよー。あとさぁ、」
「?」
「同い年なんだから、敬語使わなくていいよ?」
彼女の笑顔は暗にタメ口を使えと言っている。
「え、あ、ありがとう」
「うん」
今度こそ本当に笑った彼女に、今思えば恋をしていた。
それからしばらくして、僕も祓魔師という職業に慣れた頃。
飛び級制度を利用した初の祓魔師が生まれた、という噂が流れてきた。どうやら女性らしい。
「久しぶり、雪男君」
まさかとは思ったが、それが彼女だった。こんな、小説みたいな事があるなんて。
「今日さぁ、私がちゃんと祓魔師になってから、初任務なんだ、よろしくね?」
前と同じ笑顔で笑った彼女。
「はい、お互い頑張りましょう」
僕と君との人生が、交わっていくような気がした。
僕と君と僕と君と
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雪男夢はこんなしか思いつきませんでした。
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