Story
もう今日は帰れと言われたのでありがたく帰宅する。
「ただいまー」
「遅かったな」
姉が飯を作ってくれていた。
「どうだった?」
面接試験の事か。すっかり忘れていた。
「あー、姉貴その事なんだけど、」
かくかくしかじかで、と簡潔に話す。
「だから就職先、決まった」
「あんたが接客業……!?よく受かったわね」
「ありえないって何だよ」
「私の弟がそんな接客業なんて、ねぇ」
お前今自分の性格も否定したな
「姉貴の弟だからこそじゃね?」
仕事中は猫を標準で数十匹以上はかぶっているこの姉はモテるが、誰かと付き合ったとかいう話は聞いた事がない。蛇足話である。
まぁこの性格だから。うん。
「それに他に性格に難ありみたいな奴いたし。」
「どんな奴?」
「とりあえず靴舐めることを要求された」
雲母坂を例に出したら姉貴の疑いは晴れた。あいつも役に立つことがあるらしい。
「明日私早いんだからさっさと食え」
「はいはい」
とりあえず姉貴作のカツ丼をかっ食らった。