Story
とりあえず今俺に与えられた選択肢は三つ。
1捨てる←推奨
2交番に届ける←推奨
3ちゃんと連れてく
「どうしたの東原君?」
「…………………」
ちゃんと連れてく←決定
「ごめんねえ僕方向音痴でさぁ。友達にも一人で家出るなって言われてんだよね」
じゃあ出るなよ。行き倒れるなよ。せめてその友達連れてこいよ!
「髪に葉っぱついてるぞ」
そう言ってやるとそいつは髪をぐしゃぐしゃとかき回し、
「マジで?とれた?」
と聞いた。ただでさえぼさぼさの髪がさらにぼさぼさになっている。
「お前髪すげぇぞ。鳥が巣作れるくらいになってる」
「よく言われるんだよねぇ、それ。くせっ毛なんだ僕」
なごやかな雰囲気が流れる
……って、打ち解けてどうする。
というか、もう家の近くだ。
「どこまで連れてきゃいいんだ?」
「んー、君んちの近くまで。」