14:17 葉隠夢
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「わたし、自分でネタバレを見るのはいいけど、人にネタバレされるのは大嫌いなの」
コンバースの靴跡が俺の腹巻にくっきりとついた。
なすすべなく俺は地面に尻餅をつく。
「いってぇ!」
腹と尻どちらを先にさするか迷っていたら、彼女は俺に馬乗りになってきた。
「葉隠君、何か視えた?」
視えてしまったのだ。彼女の未来らしきものが。
「ネタバレっつっても俺の占いは七割外れるべ」
「でも当たることだってあるじゃない。」
彼女は俺の目に指を伸ばした。
「ねぇ、葉隠君、未来の私なんて見ないで」
彼女の手のひらはゆっくりと俺の頬をさする。
「本っ当に大胆だべな」
「現役女子高生なめないでちょうだい」
彼女は俺の唇に、自分の唇を押し付けた。そして俺の唇をべろりと舐める。
腹巻を見て痛ましい顔をする。自分がつけたくせに。
「あとでそれを洗濯しに行きましょう」