21:08 昨日上げるべきだった綺礼夢と藤本神父おめでとう藤メフィ藤
▽所詮泣いたもん勝ちでしょう
ハンカチを差し出す、なんて気遣いが奴にあるなんて思わなかったのだ。
ばかじゃないのと私はそれを受け取らなかったら、綺礼はしゃがみこんで無理やりに私の顔をぬぐった。
「痛い」
「我侭を言うな」
わがままじゃないわよ、と睨むとがしりと頬をつかまれた。
「あんな男やめてしまえ」
あんなものに無理して着いて行ってるお前を見るは、中々に不愉快だ、面白くない。
ハンカチは洗濯して返してくれ、と言って奴は出て行った。
▽大丈夫、世界はもうすぐ二人だけになる
「Glückwunsch zum Geburtstag!」
両手を広げ、頭の突き出た髪の毛を揺らして悪魔はにやりと笑った。
この年になると嬉しくも何ともねえよと神父は言うが昼間彼が彼の愛する息子達に散々祝われたのを知っている悪魔は、おやつれないですね、とわざとらしく膨れて見せる。
しかしそれは別段嫉妬しているわけでなく今日と言う日の終わりに自分だけと過ごすつもりだなんて、嬉しいじゃあないか。
ケーキを出してやろうかと言ったらもうたらふく食べたもう若くないんだそんなに食えるか、と神父は言う。
昔に比べ随分と丸くなったものだ。甘いものは苦手だったろうに。きっと息子達の手作りだったのだろう。
人が老いていく様は中々どうして愉快だと思っていたが貴様は格別だ、と悪魔は嘯いた
ばかぬかせ、と神父は呆れた
THX:花畑心中