17:59 ただ好きなだけ 様から



モダンに消えゆく/N
ざぁ、とノイズ交じりに彼の声が聞こえた。
ノイズの割合はどんどん大きくなってきて。
ごめんね、だなんて。トウコちゃんにもトウヤ君にもそんな事は言わなかったでしょう。私が彼の名を呼んでも(あぁでも彼の本当の名前を私は知らないのだ)彼は振り向かずに黒いその竜の背中に乗って去ってしまった。
ごぉお、という耳をつんざくような風が、彼の姿を隠していった。

CDケースに乱反射/インゴ
ゆるゆるとかかっているのは、最近彼女がはまっているというジャズバンドのものである自分が帰ってきてすぐ玄関に彼女が出迎えにこないのはまれである。
Hello と呟いたら彼女がおかえりなさい、と答えました。
声の反射からして、シャワールームでしょうか
「ごめんなさい、掃除してたの」
「そうでしたか」
ワタクシは彼女をねぎらうべく、コーヒーを淹れる為ポットを火にかけました。
いつの間にか曲は次のトラックに移っていました。

その記憶だけは最後に消してほしい/アンドロイドノボリ
えぇ所詮機械です、機械なのです。記憶などと呼べる代物ではないのです、それは。
ですが、えぇ、彼女と過ごした日々の記録だけはそれだけは、どうか思い出と呼ばせてくださいまし。それだけは私の所有物として大切に持っておきたいのです我侭だとは知っています 機械がそんな事を願うだなんて、おこがましいことは分かっているのです。ですが、ですが!永遠に保存しておくことが叶わないのならば、せめて、




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