20:50 落書き(藤メフィ←アマ/バクマン平丸夢 本誌ネタバレ?)


▼藤めふぃあま やっぱり僕は
兄上を独占するあの男が大嫌いだった。

僕はあなたが嫌いですと何度も告げた。

それでも彼は兄上の、僕が愛している兄上の愛している人なのだ。

だからいつかは好きになれるだろうと考えていた。

あぁそうだ、彼が死んだらきっと僕は彼を好きになれるはずだ。

そう考えていたのだけれど、

「やはりぼくはあなたがきらいです」

ざー、と耳に付く雨の音と、ひっそりと涙を流す兄上を僕じゃあどうすることもできないのだから。


▼平丸さん夢 卑怯者
「ご結婚おめでとうございます」

会社の元先輩現漫画家であるところの平丸さんに私はそう言った。

「そもそも新婚さんがこんな赤の他人と一緒に茶飲んでていいんですか」

「君には報告しておきたくてね」

ずずず、と紅茶を啜りながらそう平丸さんは言った。

「何故ですか」

「会社時代、僕が何とかやってこれたのは君がいたからだから」

「……はぁ?」

「僕は案外君が好きだったんだよ。あわよくばとは思っていなかったけれどね」

この際だから言っておこうと思って、と彼は言った。

「……馬鹿じゃないですか、卑怯ですよそういうの」

私は声が震えないようにするので精一杯だった。

「…………そういうの、やめたほうがいいですよ。」

花嫁さんに幻滅されますよ、と私が言うと彼はなにおぅ!?ユリタンに幻滅されたら!もう!!この世の終わりだ!!と取り乱し始めた。

(あぁ、まったく卑怯な人ですね)


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