22:07 クダリさんとモブ
「ノボリさんは本当に何でもできていいですよねー」
一度だけそうもらしたことがある。だってあの人は涼しい顔でなんでもできてしまう。彼の弟と同じく。
するとクダリさんはにこりと笑った。
「本当にそう思ってる?」
「え?」
だってお二人ともなんでもできる天才肌じゃないか。そう思ったのが顔に出たのかくだりさんは言葉を続けた。
「小さいときからずっとずっと天才と比べられていてその上兄だからとそれ以上を求められても何にも反抗せずに影でいくら努力しても天才の兄だからで片付けられちゃう、そんなのうらやましい?」
クダリさんの笑顔が明らかにいつもと違ったのを感じて、自分が踏んではいけない地雷を踏んだのを感じた。