23:28 ▼診断お題


▼方向性を間違えた芸術家と笑えない女子大生が理不尽な現実から幸せな夢へ逃げる話

彼の大量のスケッチが床に散乱している。やはり彼は写実画のほうがずっと素敵だ。
あぁでも彼のそのスケッチの一枚は、あろうことか私の笑顔なのだ。
もうずっと前に捨てたはずの私の、笑顔。
「どうして、あなたが、」
私がそう彼に詰め寄ると彼はいつもどおり飄々とした顔で言った
「君の泣き顔は見たことがあるから、笑った顔も創造できた」
「ば、か、よけいなこと、しないでよ」
私はそう言って彼の絵の具まみれのワイシャツに顔をうずめて泣いた。
よく見ると彼のスケッチはすべて、私だったのだ。



幸せな夢と理不尽な現実はもっと突き詰めていきたいです


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