dgmこびん | ナノ
【暇を持て余したエクソシストたちの戯れB】
あなた、アレン、ラビ、神田
ぺたりと座りこんで見上げると、目の前に立つ彼らの笑顔が、もっと恐ろしく見えた。
背中には、冷たい石壁。
目の前には、3人の青年。
逃げ場は、ない。
「…で、今日は何月何日でしたっけ?」
「……すみません」
「質問の答えになっていませんね。僕は、今日は何月何日ですかと尋ねたんですよ。もう一度言いましょうか?その小さい耳に、直接、教え込んでやりましょうか?」
「………っ、」
「アレンアレン、お前肩震えてるさ。落ち着けって」
「おい、そういうてめぇも笑顔引き攣ってんぞ」
「あはは、やだなぁ、神田もラビも、何だか顔が怖いですよ?」
「うるせぇよモヤシ。てめぇはいつもの数百倍嘘くせぇ笑顔だな」
「神田こそ、額に青筋なんか立てちゃって、物騒ですよ」
「…あの、ごめんね、そんなに怒るとは思わなくて…わたし…っ」
このピリピリした空気に堪らず、わたしはまた、何度目か分からない謝罪の言葉を口にした。彼らはわたしを見て、その笑顔を一層歪ませた。
つぅ、と、背中に冷たい汗が伝った。
「あはっ、何泣いてるんですか?そんなに僕たちが怖いですか?」
「アレンアレン、壁に追いやり過ぎさ」
「いいからてめぇらは退いてろ。オレがこいつを…」
「だから神田は物騒だって言ってるでしょう、彼女をどうするつもりなんですか?」
「どうって、この夢幻でめちゃくちゃに刺し「ストップストップ!本気で物騒さあんた!」
「…分かりました、こうなったら、僕が彼女を救済しま「アレンも待って!左手しまって!お前の言う『救済』が何なのか分からなくなるさ!」
「…何なんですかさっきから。彼女に対して怒っているのはラビも一緒でしょう?」
「そうだけど…オレは、お前らみたいな傷めつけ方はしたくないんさ」
「じゃあ、どうしたいんですか?」
「…何もない部屋に監禁して、毎日毎日、『お前がいけないんさ』って、自分の犯した過ちを悔いるようにする。精神的に、ギリギリまで追いつめて、『ラビ、ごめんなさい』って何度も何度も言わせて、……オレのことしか見られない人間にする」
「おめぇが一番物騒じゃねぇか」
「本当にごめんなさい、お願いだから許して…っ!!」
「……なぁリナリー、あいつらあんな壁際で何やってんだ?」
「あの子、バレンタインデーのことすっかり忘れてて、アレンくんたちにあげるチョコ用意してなかったのよ」
「ああ、1か月前くらいからあいつらしつこかったもんな…。」
ホワイトデーには何か作るから!許して!
***
バレンタインデーに何もしなかったけいからの、せめてもの謝罪を込めて。
なんかほんとすみません!
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