dgmこびん | ナノ

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【暇を持て余した学生たちの戯れA】
あなた、アレン、ラビ




「…ふぅん、で?他に言いたいことは?」
「…や、だ、だから…」
「何?聞こえません」
「…だ、だから、その…」
「そんな小さい声じゃあ分からないですよ。…ねぇ、どこを、どうしてほしいの?…ねぇ、言わなきゃわからないよ…この口で、それくらい、できるでしょう?」
「……っ、」

耳元で低く小さく囁かれる声に、唇にゆっくり添えられた指に、ぞわわ、と身の毛がよだった。
ずるい。こういう押しに弱いって、知ってるくせに。

「ねぇ、言えないの?言わなきゃ、お願い聞いてあげないよ?」
「や、やだっ」
「じゃあほら、ちゃんと言葉にして言ってごらんよ。僕だって男なんです、こんなお預け状態はもう限界なんです。そんなに気が長くないんですよ?…ねぇ、君だって、そろそろ限界なんじゃないですか…?」
「っ、ア、レンっ……、」



ガタガタッ
「先生!アレンがセクハラまがいの恐喝してます!俺の片目に狂いはないさ!」
「片目っていう時点で若干信用しきれない部分もあるぞラビー。まぁいいや、おーい、その辺にしとけよ学級委員ー。お前の標的がそろそろ限界突破しそうだぞー、精神的に。」
「…ちっ、とんだ邪魔が入りましたね」
「うわー舌打ちしたよあの子!真っ白な毛髪とは裏腹に体内に大量の悪魔飼ってるよ絶対放し飼いしてるさ!」
「うわぁーん、ラビのばかー!助けるの遅いわばかー!!」
「悪かったって、だってなんか、怖かったんだもんアレン」
「そんなんだからいつまでたってもへたれなんだー!うわーん!!」
「助けたのにこの仕打ち、辛辣すぎるさ」
「ふふ、ざまぁないですねラビ」
「……。ていうかさ、今がLHRの時間だっていう自覚ありますか学級委員さん」
「もちろんありますよ、だからこうして文化祭の出し物について真剣に話し合ってるんじゃないですか」
「わたしの意見は却下したくせに…」
「納得できる理由を述べれば考えなくもなかったですよ。せっかく意見を述べる機会を与えてやったのに、はっきり言わない君が悪いんじゃないですか」
「あんな状況で言えるわけないでしょ!ただの公開セクハラだったよ!」
「あぁもう面倒臭いなぁ。クラスの意見が『お化け屋敷』でまとまりそうな時に意義を唱える君がいけない」
「勇気を出して少数派の代表として意見しようと思っただけだもん、お化け屋敷なんて絶対嫌」
「馬鹿ですか君は。いいですか?お化け屋敷は稼働率と集客率が最も高いんです、高校の文化祭ってそういうものなんです、皆非現実的なスリルを求めて文化祭に足を運ぶんです」
「もっとなんか、色々あるじゃない、喫茶店とかさ…」

「…あぁ、そっか、怖いんですね君」
「!!」
「へぇ、ただの文化祭の出し物にそこまで食らいつく君も珍しいと思ったら、なんだ、そっか、こわ…ぷぷ、怖いんだ」
「っ……そうですよ、怖いですよ!!だからお化け屋敷だけは勘弁してくださいお願いします学級委員さん!!」
「はい認めません、却下でーす」
「!!」
「ということで、うちのクラスの出し物は多数決で『お化け屋敷』に決定しましたー」
「…ご愁傷様。ま、アレンの標的になった時点でお前の意見なんて全部逆手に取られる運命なんさ」
「……そっか…」
「お前と同じクラスになってから、アレン楽しそうさ。心から笑ってる感じ。」
「わたしはこのクラスになってから地獄です」
「…どんまい」
「はいそこでいちゃついてる馬鹿2人、聞いてんのか、チョーク投げつけんぞ特に眼帯のほうと赤毛のほう」
「俺ばっか!って、ちょ、アレンまっ…いってぇ!!めっちゃくちゃ痛ぇ!!何これ、チョークってこんな凶器だったっけ!!?額めっちゃ赤くなったさ!!そして白い!!粉っぽい!!」




文化祭の出し物を決めました。




秋ですね。ということで学生らしく文化祭ネタ。学級委員のアレンさんが自由奔放すぎる。
ラビさんがどうしてもオチで痛い目に逢う。なんてかわいそうなんだろう。ラビさん好きのみなさま、すみません。こんなん書いてますけどラビさんも好きです。




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