(小十佐です。最初、マー君が出てきて凄い事言ってたり、佐助が凄いトコから出て来たりします。軽い腐向けですが、R-18表現はありません)


「Partyがしたい」

一日は、政宗の単純な一言で始まった。いつも通り、小十郎はにっこり微笑んだまま、

「駄目です」

と、きっぱり否定する。
すると、いつもならここで引き下がる政宗が駄々をこね出した。

「いや、絶対Let's partyだ。お前だって幸村について来た猿飛とイロイロしたいだろう?」

「ぅ…政宗様、狙いはそれですか…」

「それ以外無い!Partyっつったら、普通それだろ!You see?」

「政宗様」

「あ……Sorry…」

自分の言った事がどれだけの意味を持つか、やっと気付いた政宗は素直に謝る。

「いや、確かにイロイロしたいのは認めます」

「あ、認めるんだ?!」

「ですが、政宗様はまず仕事をして頂かないと困ります」

「……ぅ………」

「仕事が終わってからならよろしいですよ?」

にっこりと微笑みながら言う小十郎。

「Really?!忘れんなよ、その言葉!」

嬉しそうに笑いながら駆けて行く政宗を尻目に、小十郎は横の押入れを開ける。すると、その中から佐助が現れる。

「ケホッケホッ…ふぅ…ちょっと右眼の旦那、ここの押入れ、埃が酷いんだけど」

ブツブツ言いながら外に出てくる佐助。

「ブツブツ言うな。政宗様は多分、仕事を踏み倒して甲斐に向かうだろう。その間は好きな事し放題だ。今日は逃がさないぞ?」

怪しげな笑みを浮かべている小十郎を見て、少し身震いした佐助は後ろに下がりながら話し出す。

「ちょっと待て。右眼の旦那、完全にスイッチ入っちゃってるでしょ」

「ん?当たり前だろ?まさかここまでしといて何もしません、とは言わねぇよなぁ?」

「いやいやいや、だからぁ旦那とヤると翌日腰フラッフラで立ち上がれないんだよぉ…勘弁しむごっ!」

ブツブツ言う佐助の唇を自分の唇で塞いでしまった小十郎。

「ふっ、……ん……ぅ……」

浅い接吻のつもりが段々と深みにハマって深い熱烈な接吻へと変化する。お陰で頭に酸素が行かなくなり、軽い酸欠状態に陥る佐助。
そんな佐助に気付いたのか、唇を離した小十郎は、佐助の耳元でそっと囁く。

「仕方ねぇな…今日は勘弁してやる。甲斐に行った政宗様の見張りはお前しか出来ねぇもんな」

潤んだ瞳を向けていた佐助は嬉しそうに、溜息を吐いた小十郎を見る。

「ありがとっ、右眼の旦那!………ちょ、そんな顔されると困るんだけど…」

あからさまにガックリきている小十郎。

「いや、完全にヤるつもりで準備してたのに…」

「準備って何よ?!」

と、盛大にツッコミを入れる佐助。そして言う。

「そんなに落ち込まないでよ。安心して?次は腰とか気にせず好きなだけ遊んでくれていいからさ?」

小十郎の顔がパッと明るくなる。

「本気か?」

「ホンット単純だねぇ。本気だよ?今度は好きなだけどうぞ」

「ありがとう、猿飛。やっぱり愛してる」

そう言いながら、小十郎はお互いの左手薬指を見る。そこには指輪の代わりに、この間二人でつけた、一生残る傷痕があった。
「そ…そんな事、き、急に言わないでよね…」
突然の告白に真っ赤になる佐助をそっと抱き寄せた小十郎はその首筋に軽く接吻する。

「次、ヤる時は勘弁しねぇからな?覚悟しとけよ?」

「うん、楽しみにしとくよ。じゃあね」

佐助はそう言うと音も無く立ち去る。小十郎は微笑みながら佐助が消えた方向を見る。
次会えるのは、何時だろう、と思いながら。
いつ死んでもおかしくないこの時代。
誰よりも佐助の幸せを願う小十郎だった。





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