02


結果

グー→三月兎・ルツ・ヨシュア
パー→白兎・ヒザシ


「えーっ!?白兎ぜってーグー出すと思ってたのに!」

「何でッスか?」

「負け組だから。」

「うるさいの、それオレらに返ってくる。止めとけ。」

「二人はパー組で良いじゃないか。」

「何がパーって言いたい訳?」

「ははは。」

「ヨシュア!」

「やっっったああああ!!」


声を荒げたヒザシを遮ったのは白兎による歓喜の叫びだった。
彼にとって最も幸運だったヒザシと二人っきり……ではなく危険人物×2(三月兎とヨシュア)と当たらなかった事である。

何となく感付きそうなヨシュアを除く三人は知る由もないが。


「ヒザシ!早く行くッス!」

「ちょ、ちょっと!痛い痛い!」


痛みを訴える叫びを物ともせずヒザシの挑発的なまでに外気に晒された二の腕を掴んでその場を去った。


「んじゃ、あたしらも行く?」

「別にオレは」

「行こうか。」


その場の空気に流されて分かれたが彼自身はあまり乗り気ではなかった。
それを遮ったのはヨシュアだ。

ルツが恨めしげな視線を向けるも遮った本人はニコニコと笑っているだけ、意味ありげな視線すら向けてこない。


「ところで質問!金いくら?」

「0だね。」

「あ゛?」

「ヒザシが管理してるからねぇ…。」

「……ぞ……あいつら追うぞッ!!」


三月兎が殺気立つまでに時間はかからなかった。
彼女にしてみれば“裏切られた”のだ。自分が出せば済むのだがそんな考えは彼女に無い。






「ん!?」

「どうしたの?」

「い、今……寒気が…。」


こっちは至って安全そうな方である。
一瞬硬直した後身震いした白兎を気遣う様は姉のようだ。


「それより何買う?」

「オレ?うーん……牛乳と小麦粉とジャガイモと人参と」

「そうじゃなくて!」

「えっ?夕飯の材料は必要ッス!」

「もう…。」


まだ日が高いにも拘らず既に夕飯の事を考えている彼に言葉も出なかった。

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