(いつだって君に会える) 「ねえ、聞いて!」 生い茂る木々によって薄暗くなった森。そこに横たわる、紅い瞳をした一匹の魔物。大きな狼のようにも見えるその魔物は、綺麗な白い毛のせいか薄暗いその森の中で一段と目立っていた。 「どうしたんだい?また綺麗な石でも拾ったのかい?」 獰猛な見た目とは裏腹に、我が子を見守る母親のような優しい表情を浮かべ、魔物は少女に尋ねた。 「ううん、あのね!今日はね…」 少女は大はしゃぎで話を続ける。魔物はそれを嬉しそうに聞いていた。 (今はもう、 思い出でしかないけれど) 目をつむれば、 (2009/08/14 01:18) |