《ミハベ》
真夏のユメを見る
真夏の夢を見る。
甲子園という目的地を目指し、全国制覇という目標を抱いて。
だけど、それとは別に、俺は阿部君の夢を見る。
阿部君を手に入れたという真夏(あつい)願望(ユメ)。
それを見るのは、俺が阿部君を好きだからだ。
だから、阿部君に好きって告いたい。
「三橋!!聞いてんのか!?」
ビシッと背筋が伸びた。
「ごごごご、ごめっ!」
「いいから、さっさと覚えろ!!」
阿部君は怒鳴った。怒せてしまった。
けど、怯えないで今日はちゃんと告うぞと決意したんだ。
(今、チャ、チャンス、だぞ!)
「あの、阿部君」
「あ?」
俺が目を見つめれば、見つめ返してくれた。
怒った目はもうない。
(阿部君を、分かるように、なって、きたぞ。近づいて、る、よね?)
伝えたいな。伝えたい。伝えるぞ。と気持ちを繰り返す。
伝えたいのは、たった一言。
"好きだよ"
でも、結局、今日も告えない。
fin.
<あとがき>
グルグルしてる三橋の葛藤模様です。
ちょっぴりスッパメ話。
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