《小説》
魔法にかかる
ピンポンとチャイムが鳴ったので、玄関のドアを開けると
目の前の視界が、チャイムを鳴らした人物から
春らしいカラーの花に変わった。
「はい!新一v」
「…毎回花って。俺は女じゃねぇっつうの」
俺は、贈り主に文句を言いながら
その花束を受け取った。
そんなに日も空けずにやってくるので
家中が、花だらけになりつつある。
「また飾ってくれるんでしょ?」
家に上がった快斗は
パーカーのポケットに手を突っ込みながら
辺りを見回し、そう言った。
「捨てるわけにもいかねぇからな」
と言うと、快斗はクスッと笑って
「ありがとう」
と御礼をいう。
コイツがどういう意味で
俺に花を渡すのか分かっている。
だから、捨てられないし、誰かにあげるのも失礼だと思って
そういう事はしないでいるんだ。
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