《小説》

君の為なら利用する


惚れてる。
ただそれだけ。

**********

「し・ん・い・ち・君v」

前を歩く彼は振り返り、怪訝な顔で俺を見た。
相変わらず、整ったキレイな顔。

「なに怒ってんの?」

理由を知っているのにも関わらず
俺がしれっと新一に尋ねると
新一は、更に不快な顔をした。

「分かってんだろう?」
「さぁ?なんの事だか」

睨む新一。
それでも俺は、しらばっくれた。

「また、蘭に近づきやがって」

俺は、前を見て歩く新一の横顔をちらっと横目で確認し
視線をまた、前方へと戻す。

「あ〜。"キッド"がまた、蘭ちゃんに何かしたんだ?」

新一は、無言の怒りを俺にぶつけた。

「んな、怖い顔すんなって。
せっかくの美人が台無しだよ?」
「お前、一体どういうつもりだよ!?」
「あの手の顔に弱いって言ってんじゃん」
「もう、蘭に近づくな!!」

新一は足を止めて、俺に釘をさした。

イラつく。

俺は、新一に惚れてる。
でも、新一は蘭ちゃんを想ってる。
だから、新一にとって俺は、眼中にないんだ。
それが腹立だしい。

だから俺は"キッド"を利用した。

"キッド"を好きになられたら困るけど
少しでも"黒羽快斗"を気にする要素になるなら
利用する価値はあるだろう?

利用という意味では、"蘭ちゃん"もその1つ。
蘭ちゃんが関われば、新一は絶対に俺を見るから。
それは、悲しい事実だけど
新一と絡む回数が"キッド"としてでも増えれば
新一の心も徐々に支配して行ける。
そう思ってるんだ。

(新一を手に入れるためなら、なんだって利用するさ)




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