《小説》

ご褒美


俺はビルに到着するなり、即行で尋ねた。

「新一!どうだった!?今夜の予告状!苦労したんだぜ!?」
「なかなか良かったぜ」

新一は、ポケットから予告状を取り出し、褒め言葉をくれた。

「じゃぁ、恒例のご褒美タ〜イム!」

俺は目を閉じて、唇を差し出す。
けど新一は、「はいはい」と言って俺を抱きしめ
背中をぽんぽんと叩くだけ。
毎回こうだ。堪ったもんじゃない。
俺は、子供じゃねぇってぇの!

「…あのさ、新一」
「あ?」

新一は体を離すと、曇りのない笑顔を俺に向ける。
思わずトキめいちゃったけど、それを振り払って
俺の思いを訴えた。

「新一、俺そろそろ限界なんだけど?」
「は?何がだよ?」

分かってないご様子。
だけど、負けじと言葉を続けた。

「ご褒美だよ。
予告状の出来に合わせて、ご褒美をくれるってやつ」
「それが?」

鈍いにもほどがある。
俺は、思い切って直談判した。

「ハグじゃなくて、別のがいい。
妥協してもキス、妥当でキス以上!」

そういうと

「バ、バーロ!何言ってんだ!?///」

と顔を真っ赤にして、声を上げた。
こういう事に関しては、まだ純情で。
ま、そこが可愛いといえば可愛い。
だけど、褒美となれば話は別だ。

(やっぱ待ってたって、埒があかねぇよな。
そもそも、待ってるなんて俺らしくない!)

俺は自己完結をして、新一を見つめると

(よし!)

と新一の唇を奪った。
新一はビックリして、目を大きく開ける。
そして、俺を強く突き飛ばした。

「なにすんだ!?///バ快斗!!///」

真っ赤な顔で睨む新一に俺は
自分の唇をペロッと舐めて

「何ってキス。
一応今回は、妥協してあげたんだよ?
それに、コレを貰ってもいいくらいのレベルの
予告状だったと思うけど?」

とキッパリ言い切った。
それから

「いいよね?」

と確認を取ると

「いいも悪いも、もう取ってんじゃねぇか!///」

と怒鳴られてしまった。




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