《カップリング》

priority―優先順位―


「でかっちょはハルカ先生と俺、どっちが好き?」
「誰がでかっ…はぁ?」

思わぬ質問に俺は声を上げる。

「お前は俺と"こいびとどーし"だけど、ハルカ先生の方が大事なんだろ?」
「…誰がそんな事言った?」

だいたいの予想がつくが
とりあえず尋ねてみると
予想通りの答えが返ってきた。

「ん?わるっちょだけど?」
「やっぱり」

アイツはいつも余計な事をコイツに吹き込む邪魔者だ。
俺と風のサーガを別れさせる気だしな。

俺はちらっとサーガを見る。
サーガはただ黙って
秘密基地から見える景色を眺めていた。

「お前さ、本当はハルカ先生の方がいいんじゃねぇの?」

俺は驚いて風のサーガを凝視した。
ちらっと俺に目をやった風のサーガは
再び景色に視線を戻すと

「だって、ハルカ先生とデートした事あるし、
あの黒くてでっかいレジェンズの時だって
ハルカ先生が死んだって知った時は誰が死んだ時より悲しんだんだろ?」

コイツが知らない事まで、コイツは知っている。

「ジャバウォックの時の事もわる夫から聞いたのか?」
「あと、光のレジェンズの、あ〜…すぴりなんとかクラブ?」

(また余計なのが出てきた)

俺は目眩がした。
だが、嬉しさも顔に出ちまう所だった。
コイツなりに嫉妬してるんだろう。
横にいる風のサーガが面白くない顔をしているんだ。

「…じゃあお前は、母親と俺、どっちが好きだ?」

と逆に質問をすると

「んなの決まってるじゃん!!母さんだよ母さん!!」

と即答の返事がくる。
"俺だ"と言ってくれれば、"俺も同じだ"と返してやった所だが。

「おい」
「ん?」
「お前、いっぺん風を感じてこい!!」
「あ〜れ〜、お助け〜」

俺は風のサーガを握って、真上の空に投げ飛ばした。



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