《カップリング》

happening―突然の恋愛成就と前途多難―


レジェンズクラブの集まりで
俺と部長が買い出しに行くことになり
思うよりテンションが上がってしまった。

「俺と付き合ってくれ」

なんて、うっかり言ってしまうくらい。
だけど、告られた張本人・風の小学生は

「うん、いいよ。何処に?」

とお約束の返事を返してきた。

「…あ〜」

俺は頭をポリポリとかきながら

「違うんだ。その〜…"恋"って分かるか?部長」

と尋ねる。
部長は

「分かるって!」

と笑顔で即答した。

「そうか。ま、つまりそういうわけだ」
「あ〜…なるほど〜」

理解していない様子。
そりゃあそうだ。
女の子に言われるならまだしも
男に告られて今すぐ理解しろって方が難しい。
ましてや小学生だ。
だけど、告うなら今しかないような気がして
俺は言葉を続けた。

「いいか部長。簡単に言うと、俺はお前が好きなんだ。だから付き合わないか?って言ってる。分かったか?」
「あ〜なるほど!オーケーオーケー!!」
「お前ホントに分かってるか?ま、いいや。で、どうする?」
「オーケーオーケー!!部長だからな〜。そりゃあ惚れちゃうよな〜」

いつもこんな感じだからか
イマイチ伝わってないように見えて
勢いで押してるのが
バカバカしくなってきた。

「お前、分かってないだろ?もういいや。なかった事にしろ」

俺は止めた足を踏み出した。

(俺がタイミングを間違えただけだ。なかった事になっても構わない)

だけど、可能性が見えなくて
フラれたも同然の状況に少し落ち込む。

「あ!待てよ図書委員!」
「図書委員はリーオン。俺は体育委員」
「そうだったな!狼中年!」
「俺は中年じゃない!」

後ろから追い掛けてくる部長に
追いつかれないように早足になる。

(追い掛けてくればいい。ずっと俺だけを)

そんな思いと共に歩くスピードも更に上げた。



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