《カップリング》

priority―優先順位―


「ごわがったよ〜」

空から戻ってきたサーガは
俺の手の中で号泣した。
腹が立ったとはいえ、大人げなかったと俺は反省する。

「風のサーガ」
「う゛ぇ?」

俺は、泣きじゃくるサーガにキスをする。
すると、サーガは涙を止めて俺を見つめた。

「確かにハルカは大事だ。だが、お前を思う気持ちとはまったく別のもんなんだよ」
「そうなの?」

分からないという顔をするサーガに俺は微笑むと

「ま、お前にもそのうち分かる時がくるさ」

と言った。
サーガは

「そっか!」

と返事をしてニカッと笑った。

サーガがいつか
"LIKEとLOVE"の違いに気づいた時
コイツの隣にいるのは俺じゃないかもしれない。

…なんて考えは、今の俺にはない。
"お前はLIKEだった"なんて絶対言わせないつもりだからな。

(その時が来るまで、しっかり種を植え付けとくか)

俺は再度、風のサーガにキスをしようと顔を近づけると

「でもさ、結局1番は俺なわけ?ハルカ先生なわけ?」

ムードも何にもありゃあしない。

「どうでもいいだろ?今は。(いいところなんだからよ)」
「どうでもって〜。え〜?そうっすかね〜。あ、ちなみに俺はね!」

そう言って、今度は自分がつけた順位を言いはじめた。

「1番はやっぱ母さんだろ〜?
2番は父さんかな?それとマックにメグに一応キザ夫も!
それから、野球だろ〜秘密基地だろ〜レジェンズクラブだろ〜
リッキーズだろ〜ハルカ先生だろ〜アンナだろ〜。
それからそれから」

いっこうに俺の名前が出てこない。

(俺はそんなに下なのか?
ってか野球と秘密基地って…人じゃなくて物になってるじゃねぇか。
物にも勝てねぇのかよ俺は)

俺は不快な顔でサーガを見ると

「お前、もういっぺん空へいってこい!」

と言って、サーガを再び空へ投げ飛ばした。



《あとがき》
シロンの順位がランより下だったら笑えるとか思ってしまう。
それがまた、シュウ達らしいかなって感じちゃうんですよね。
"つかず離れず、ずっと一緒"が似合いそう^^




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