《カップリング》

happening―突然の恋愛成就と前途多難―


その晩。
祝い酒と称して、グリードとリーオンと俺は、ダンディの店で酒を飲んだ。

「まぁ、良かったじゃねぇかウォルフィー。これから色々、大変そうだがな」

そう言いながら俺の肩に手を乗せて、端のカウンターに目をやるグリード。
視線の先には、やさぐれたように酒を飲むシロンと
上品に酒を飲むランシーンがいた。

「でも、ウーたんが部長をなんて知らなかったな」
「俺は知ってたぜ?」
「え!?マジ!?どこらへん?」
「そうだな」

グリードとリーオンが盛り上がる一方で
別の方向からはどす黒い空気が突き刺さってくる。

「なんだアイツ!?ウォルフィーも風のサーガが好きだったのかよ?!」
「私は気づいていましたよ」
「何?お前も気づいてたのかよ?!なんで俺にいわねぇんだ!?」
「はて?話しませんでしたっけ?」

話終わると2人(2頭)同時に俺を睨んだ。

(アホ部長〜!)

俺は注がれている目の前の酒を、一気に口へと運んだ。
そんな俺を見ながらランシーンは、シロンに話を振る。

「…シロン。貴方は知ってますか?」
「あ?なにを?!」
「日本にはアツアツおでんというものや熱湯風呂という伝統芸があるらしいんですよ。ほら、これです」

ノートパソコンを取り出して
シロンに画面を向けるランシーン。

「…へぇ〜。なかなか面白そうじゃねぇか」

シロンがニヤリと悪い顔をした。
もうツッコむ気にもならない。

俺はウィンドラゴンから酒のグラスへと視線を移す。

"ウォルフィー"

俺は酔いながら今日の事を振り返った。

頬にキスの後

「んじゃあ、これからもよろしく!!って事で、握手握手!!」

そう言って、差し出された手。
それを出した人物を見ると笑顔だった。
俺は微笑んで

「まぁ、よろしく部長」

と握手を交わすとアイツが

「シュウでいいよ」

そう言うから

「じゃあ、シュウ。よろしく」

と改めて挨拶をした。


(ま、なんとかなるか…)

前途多難な未来を考えるのはやめ
愛しい小学生を想って俺は、再び酒を口にした。



《あとがき》
「ウォルシュウはギャグ方面になりそう」と思いながら書いた作品。
カプとしてもコンビとしても好きな組み合わせです^^
実は、ウォルシュウを書きたいという思いの中に
ラン&シロンで「日本の伝統芸」の件を入れたいという強い思いが存在しました。
なので、個人的にメインは意外とそこだったりします^^
どうしてもあれが入れたかったんだ(笑)




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