《カップリング》

happening―突然の恋愛成就と前途多難―


「な〜に怒ってんだよ?図書委員!」
「だから俺は体育委員。いい加減、覚えろよ。てか、怒ってねぇよ」
「だって、速いじゃん!もう少しゆっくり歩こうぜ、な?狼中年」
「だから、中年じゃねぇって」

エンドレスな会話。
終わりが見えない。
だけど、それがどこか心地よくて
思わず、歩くスピードを落としそうになった。
その瞬間

「追いつい、たっ!」

と、少し汗をかいた部長が俺の隣に並ぶ。
それから、にぃ〜と笑うと

「ウォルフィー」

と俺の名前を呼んだ。

歩く速度が徐々に遅くなる。

「俺と付き合いたいなんて、君、見所があるね〜」
「…」
「分かった!いっちょ、付き合いますか!」

俺は瞬きを繰り返す。
そして

「なんだそりゃ。まだ、分かってないだろ?」

と笑った。

(名前を呼ばれただけで喜べる俺って"じゅんじょー"かよ?)

そう思っていると俺を見てほっとしたのか
部長は自然な笑顔を見せてこう言った。

「分かってないだって?シッケイだな君。
"恋"だろ?あったま悪い俺でもそれくらい分かるって。ほら!」

部長は俺の腕を引っ張って、頬にキスをする。
触れられた部分がすごく熱い。

「な?こういう事だろ?」
「…ああ」

とりあえず、こんな感じでめでたく付き合う事になった。
だけど…。

「聞いてくれ皆!!カクカクしかじかで図書委員ことウォルフィーとめでたく付き合う事になりました!!」
「!!??」

秘密基地に戻るなり
風の小学生がいきなり報告をしてしまった。

「図書委員は俺なんだけど」

とリーオンのツッコミから入り

「何よ?!カクカクしかじかって!?」

と水のサーガの指摘に

「メグ、この話聞かなかった事にした方がいいよ」

とディーノ坊ちゃんが悟し

「おめでとうなんだな」

と土のサーガが祝福の拍手を贈る。

まさか、おっぴらげて報告するなんて思わなかったから
口止めも何もしていない。
今からしようとしても、時はすでに遅し。
風のサーガに想いを寄せていたシロンとランシーンの鋭い睨みがすごく痛かった。




[*前] | [次#]



Legendz TOP



戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -