《ノーマル》

Study


試験期間に入り、部活はいったん休み。
いつものように皆で勉強して、家に帰る。
それから風呂に入り、飯を食って、部屋に戻ると
おもむろに携帯を開いた。

試験と言えば、赤点。
赤点といえば、三橋、田島、そして元希さんだ。

(ちょっと電話してみっか)

学校が違うから、試験日程が違うとはいえ
やっぱり普段が大事。
状況を知るために、俺は意を決して電話をかけた。

(大丈夫。今日は普通に話す。俺なら出来る!)

プルルルル。プルルルル。

いつもなら俺も部活の時間だ。
元希さんはその後、自主トレするから
電話に出れない状況かもしれないと思ったけど
待ってみることにした。

(出ないか)

鳴り止まないコール音。
諦めて電話を切ろうとボタンに指をかけた時
プツっと音が止んだ。

『隆也?』

元希さんの声だ。

「あ、すみません。自主トレ中でした?」
『ああ。でも、今終わったとこ』
「そうですか」

俺は、繋がった事への喜びと安堵を感じた。

『で、何だ?お前から電話なんて珍しいじゃん』

と言われたので、俺は素直に返事をする。

「今、俺んトコ、試験期間中なんですけど
元希さんの事、少し気にかかったんで電話したんです。
ちゃんと勉強してるかなって」
『心配してくれてんのか?』
「ええ、まぁ。赤点取り過ぎで試合出るのしばらく禁止とかなって
アンタの姿ないなんて間抜けな話は、イヤですからね。
後輩も入ってきたんでしょ?
3年にもなって、赤点ギリギリは恥ずかしいですよ」
『赤点ギリギリって…。秋丸から聞いたのか?』
「はい。こないだのは、かなり危なかったって」
『アイツ…』

それからしばらく、元希さんは口を閉じた。


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