《榛阿》
望み
いつも見慣れたロッカールームで、タカヤにキスをした。
相手が男だっていうのは、十分に理解している。
それでもキスをする。
その行動の意味は、ハッキリとは分からないが
ただ、タカヤを見るとふとしたくなるんだ。
「また、アンタは!」
と声を張りながらも、平然とした態度を取る。
まるで、慣れたと言ってるみてぇに。
そんなタカヤが、ボソリと呟いた。
「アンタは何がしたいんすか?望みは?」
(望み?そんなものねぇよ)
俺の目標は、プロ。
でも、それは決まってる。俺は絶対行けるって。
だから、望みなんて特にねぇ。
あとは、タカヤだ。
俺は、お前がいればそれでいい。
でもこれも、望みにならねぇんだ。
だって
「絶対、タカヤはいるからな」
「?」
話が見えない。通じてない?と眉を寄せる。
俺はそのシワをぐぐっと、何度も指で伸ばしてやる。
何すんだ!?と騒ぐタカヤ。
煩くて敵わねぇから、顔を掴んで唇を重ねてやった。
fin.
<あとがき>
戸田北時代、元隆でイメージして書いたんですが
ハルアベでも変わらないな〜と思って、ちょっと修正。
(でも、あんま変わらない)
いつ、何時も上から目線が元希さんだと思います。
そんな彼のペースに、毎度巻き込まれるのは隆也ですね。
そんな戸田北時代が好きです。
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