《榛阿》
心地よいひと時を
サワサワサワ。
葉っぱが擦れる音に目を覚ました元希。
木漏れ陽が眩しくて、思わず手の平をかざした。
すっと体を起こして横を見ると
隆也がスースーと寝息を立てて寝ている。
そんな中、元希は彼の寝顔と周りの状況を見て溜息をついた。
ロードワーク中に寄った公園では
子供が戯れ、母親達が話し込んでいたからだ。
(これじゃあ、襲えねぇよな)
昼間だとか外だとか一切関係なく
状況だけを把握して直ぐさまヤれない事を落ち込んでいたのだ。
残念そうな顔をした元希は、やることもないし
隆也もまだ寝てるので仕方ないと、彼とここにいる経緯を振り返る。
(急遽、シニアの練習が休みになった。
んで、お互い野球詰めだった為、今更やる事もないってなって…)
仕方ないので2人で、自主練をしていたんだよなと考えたところで
「んンー」
隆也の声に元希の頭と体の動きが停止する。
そして、元希は隆也の顔に目を向けた。
だけど、隆也は寝返りをうって、元希に背を向けている。
空かさず元希は、隆也の体を自分の方へと転がした。
「なんでそっち向くんだ!こっち向け!」
「ん。なんすか?ん〜、風が心地いい…もうちっと…」
(もうちっと!?なんだその顔と声!無理だろ!?待てねぇ!)
元希は、隆也の眠そうな声と顔にテンションが上がった。
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