お題 | ナノ

こーちゃんが約束を破った。
今日は僕とデートする日だったのに、無理だって言い出したんだ。しかも、直接ではなく電話で断りを入れるなんて、非常識にも程があるよ!

「ねー、こーちゃん!何でダメなのー!?」
『だから、会議が入っちゃったんだって』
「もう!そんなのすっぽかしてきなよ!僕との約束の方が大事でしょ!」
『いや、けっこう大事な会議なんだよ。生徒の一人が万引きしちゃったみたいで…』
「そっか、うん、分かった。とりあえずその生徒の名前教えてもらおうか。もう犯罪なんかしないように絞めてきてあげる」
『一応聞くけどそれ、引き締めるの締めるだよね?言葉に殺意が篭ってますが』
「うん。ちょっと首をキュッとね」
「絞殺する気満々じゃん!」
「当然の報いだよ。正義は必ず勝ーつ!」
『人殺めようとして、何が正義ですか』

一向に僕との約束を守ろうとしないこーちゃん。こりゃ何言っても今日の予定はキャンセルだな。ならばしょうがない!この代償をきっちり払ってもらおうか!

「はぁ。まったく、しょうがないな」
『ホントにごめんな。来週なら大丈夫だと思うから』
「しょうがないから許してあげるよ。ただし条件がある」
『うん?何?』
「今から言うことのうちどれかを選択して実行しなさい」
『ん、分かったよ。選択肢は?』
「切腹か自決か自決か自決、どれが良い?」
『え、他に選択肢は!?』
「あるわけないじゃない。これは、反省の色を見せる君のために出血大サービスで用意した選択肢だよ?何が気に食わないの?」
『全部だよ!お願いだから、本当の意味で出血させないでください』

あまりにも必死にお願いしてくるこーちゃん。もう、本当に我が儘なんだから。日本男児なら潔くちゃちゃっと切腹くらいしてほしいものだよ。…とは言ってもこーちゃんがいなくなっちゃうのは僕が困るから、僕はもう一つだけ選択肢を加えてあげた。






「じゃあ、切腹か自決か自決か熱いキス、どれが良い?」



選択肢

- END - 





1/2

 
←back

×
- ナノ -