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「あきら、昼飯食うぞ」
「うんっ」

先生の解散の声を合図に、皆が散らばっていく。
今日は、修学旅行1日目。そして、今昼食の時間になったとこ。1日目の昼食は各自持参で自由に食べていいため、俺はあきらに声を掛けて近くのベンチに腰掛けた。

「お前、今日はちゃんと昼飯持ってきただろうな?」
「うん!もちろん盛ってきた!はいっ、こーちゃん」

あきらは、何故か弁当を俺に差し出す。…なんで?
訳が分からず、取り敢えず疑問を声に出して見ると「こーちゃんの分だから!」という答えが返ってきた。

「いや、俺、自分の分あるし」
「でも、これはこーちゃんのために用意したんだよ!」

ぐいぐいと押し付けられる弁当を拒み、自分で食べればいいじゃん!と抗議した。すると、あきらはわざとらしく自分を抱え込むようにしながら、白い目を向けてきた。

「こーちゃんってばまさか…、これを僕に食べさせて襲うつもり?」
「はぁ?何言ってんだよ!」
「うわ〜。こーちゃんって…。うわ〜」
「あーもうっ、その目はやめろ!分かった、食べるよ!食べるからその目はやめろっ」
「きゃーっ、やっぱり僕を食べるつもりなんだね!?こーちゃんのエッチ!むっつりスケベ!」
「訳が分かんない。…俺、もう泣いていい?」
「え?…なんだ、やっぱそうだよね!いいよ、可愛く鳴いて!この弁当を食べた後に僕の下で!」

黒さ100%の笑みで弁当を差し出された。しかも、有り得ない言葉付きで。勘弁してくれよ…。そう思ったものの、せっかく自分のために用意してくれたものだから、取り敢えずおかずの一つを口に放り込む。

「あ、こーちゃんやっと食べた!もうっ、早く食べないと、ちゃんとした時間に効果でないんだから、ちゃちゃっと食べちゃってよね!」
「……何か入ってんの?」
「ん?媚薬。今夜盛り上がると思って」

むせた。というより、食べてしまった分を吐き出そうとした。…無理だったけど。

「おま、なんてことしてんの!?」
「え?知らなかったの?ちゃんと'盛ってきた'って言ったじゃない」
「'もってきた'の意味が違うだろ!」
「…こーちゃんっ、これ美味しいよね?さ、早く残りも食べて?」
「誰が真実聞いて食べるか……って、ちょ、何すん…ぎゃああああああ!」

無駄に力の強いあきらに無理矢理弁当を食わされ、俺は最悪な修学旅行初日を過ごすのだった。








「晃一くんとあきら君のR18シーン…。ビデオとカメラを持ってきて正解ですね」

- END - 





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