log | ナノ
「ねぇこーちゃん」
「ん?」
「…好き」

しっかり目を見てそう伝えれば、君は柔らかく笑ってありがとうと言う。そして、じっと見つめ続ける僕に対して、自分も返した方がいいと判断したのか、俺もあきらが好きだよと続けるんだ。
あぁ、なんて残酷な言葉なんだろう。
だって僕の好きは恋愛の好きで、君の好きは友情の好きなんだ。こーちゃんは自分が吐いた言葉の残酷さを知らない。君の言葉は僕の胸に深く突き刺さる。続けて言った言葉は、更に追い打ちをかけた。あまりにも綺麗に笑って言うんだ。

あきらはずっと俺の親友だよ。

こーちゃん、君は僕がそれで喜ぶと思ってるんだよね?悪気なんかないんだもんね?だから僕は、とびっきりの笑顔を向けるんだ。何も知らないこーちゃんのために。今の関係が崩れないようにするために。
僕は今日も届かない想いを口にするだけ…。

「こーちゃん、好き。大好き」




(この言葉の本当の意味を)(君は知らない)

- END - 





1/2

 
←back

×
- ナノ -