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ある程度仲良くなると、色々な話題があがる。趣味のこと、家族のこと、小中学生だったときのこと…。
今の俺達も例外ではなくて、放課後の教室であきらと委員長と俺の三人で第一印象の話をしていた。

「僕はねー、初めていんちょーを見たとき、鬼畜眼鏡の偽善者だと思ったよ!今もそう思ってるけどねっ」
「ははは、俺は最初も今も変わらず、貴方を腹黒で我が儘な悪魔だと思ってますよ」
「…委員長、目が笑ってないよ。ってか、何で二人ってこんな険悪な仲なの?」

二人の間には不穏な空気が漂っていて、一緒にいる俺はなんか気まずい。でも、あきらがとんでもないことを言ったために、そんな感覚はどこかに飛んでいった。

「こーちゃんの第一印象は、侵略者だったなぁ〜」
「「…え?」」

一瞬にして空気の固まる発言。
え、今、なんて言った?侵略者?いやいや、意味がさっぱり分かんないんだけど!?
そんな俺の考えを代弁するかのように、委員長は口を開いた。

「侵略者、とはどういうことですか?」
「あのときは地球防衛隊が完備されてなかったから焦ったよ」
「…俺の話、聞いてますか?」
「本当にこーちゃんが人間でよかった」
「完全に委員長無視だな。ってか俺、明らかに人間にしか見えないと思うんだけど、何で?」
「だって、かっこよくて優し気でモテモテだったクロードが侵略者だって発覚した次の日だったんだもん!」
「う〜ん、よく分かりませんね」

…委員長に同意です。
だって何のことだか、さっぱりだよ!侵略者って何!?クロードって誰!?

「で、でもさ、あきらは俺に優しくしてくれたっていうか、気遣わないでくれてたじゃん」
「ん?何のこと?」
「俺に母さんがいないことに皆気ぃ遣ったりしてたけど、あきらだけは普通に接してくれたじゃん?ほら!遊びにも普通に誘ってくれたし!」
「あ〜、あれは一発ドン!と正面から戦わないといけないって思ったから」
「…………」
「こーちゃん絶対地球侵略しに来たんだと思ったよ。いつビーム撃たれるかってハラハラしちゃった」
「…どうやら、敵視した結果が優しさにみえただけのようですね」

小学生のときからずっと一緒の親友から初めて聞かされた第一印象。第一印象が侵略者だなんて言われるのはどこを捜したって俺だけだろうし、そんなことを言うのもあきらだけなんだろうなぁと思った。



(いんちょーはどうだったの?)(晃一くんの第一印象は萌えでした)(…ねぇ、まともな印象ないの?俺)

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