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※大学生パロ



高校を卒業して一年が経った。
それなりに忙しい日々を送っているが、あきらは相変わらず休日になると遊びに来る。今日は、何となく目に入った卒業アルバムを二人で眺めていた。体育祭では二人三脚が悲惨だったとか、留年は確実だという点数だったのに何故か免れただとか、そんな思い出話をしながら。今だから笑えるけど、あのときは本当に必死だったなと思い出していると、あきらが"あ、"と小さく言ってから、修学旅行での写真を指差した。

「そういえばさー、この日だったよね?僕が告白したの」
「あぁ、そうだな」



今でも鮮明に覚えているあきらからの告白。
修学旅行での定番ともいえる恋愛に関する話。まぁ、所謂恋バナってやつ。これを同じ部屋になった奴がしてて、当然俺達にも話がふられた。あきらは「秘密ー」と言ってはぐらかし、そのまま布団に潜った。俺もなんとか適当にごまかし、「もう寝るから」と言って布団に入った。そしたら、あきらが俺の布団に移動してきて小声で言ったんだ。

「さっきの話、こーちゃんにだけは教えてあげる。僕の好きな人は、こーちゃんだよ。本気で」

その後は全く眠付けず、次の日にかなり勇気を出して「俺も…、俺もあきらが好き、だよ」と返事をしたんだ。その瞬間にあきらが抱き着いてきて、体温が一気に上昇した…。



そうだよな、あの日から俺達は特別な関係になったんだよな。しみじみとそう考え、あの日をとても懐かしく感じた。
あのときあきらが気持ちを伝えてくれなければ、俺は自分の気持ちを今でも押し殺し続けてたかもしれない。だって、いつも隣にいれるのに、親友という立場では満足できなくなっていたから。いつからかなんて自分でも分からないけど、親友としてあきらをみれなくなっていたから。

「…あきら、ありがとな」
「へ?何が?」

きょとんとしているあきらの問い掛けには答えず、俺は額にキスを落とした。
これからもずっと一緒に居れることを願って…。





(今恋人として隣に居れるのは)(お前がきっかけをくれたから)

- END - 





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