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雲のない澄んだ青空に向けて

 僕は一つの紙飛行機を飛ばした




いつも隣に居たはずのこーちゃんはもういない。もう僕の隣には、いない。いつからこーちゃんが隣にいないのかなんて思い出せないけど。僕ら、ずっと一緒にいられるって思ってた。思ってたんだけど、現実は違った。お互いに依存した状態は将来のために良くないって君は言った。僕にとっては、こーちゃんがいない時点で将来も未来もないのに…。
いくら泣いても、いくら縋り付いても、僕の手を再び握ってくれることはなかった。こーちゃんは、静かに涙を流しながら僕を見つめてるだけだった。‥そっか、こーちゃんも苦しいんだね。本当は離れたくないんだね。だったら、我が儘を言ったらダメだよね。我慢しなきゃ、ダメだよね…


僕達はその日
互いへの気持ちを押し殺して笑顔で別れた。






…僕は一つの紙飛行機を飛ばした。
大好きなこーちゃんの髪色と同じ銀色の紙飛行機を。中にはたくさんの想いを書いた。たくさんの大好きって気持ち。この紙飛行機と一緒にこーちゃんへの想いもどこかに飛んでいっちゃえばいいと思った。もう君を思い出さなくていいように…。

風に乗って飛んでく紙飛行機が遠ざかっていくのを見つめる僕の頬に、一筋の涙が流れた。






(少年の想いを乗せた紙飛行機は)(行く宛も無くどこまでも飛んでゆく)

- END - 





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