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「いんちょーってさ、本当に性格悪いよね!このドS鬼畜眼鏡!!」
「あきら君って、本当に残念な子ですよね。器も背も小さすぎて…、憐れです」
「………」

…えー、只今すごく不穏な空気が流れています。あきらと委員長が言い合いをしてるわけなんだけど、これ、いつまで続くんだろう…

事の発端は、本当に些細なこと。いつも通りあきらと登校していた俺に、委員長が声を掛けてきて、何故かあきらが委員長に攻撃を開始。止める間もなく委員長はあきらに反撃。そして、今に至る。
あきらは俺の腕にしがみついて離れない。委員長も痛いくらいに俺の手首を掴んで離さない。何で俺、こんな巻き込まれてんの?っていうか、俺を挟んで喧嘩をしないでほしい。さっきから二人の暴言を間で聞いている俺の身にもなってくれ。

「ねー、こーちゃん!いんちょーが僕のこといじめるー!」
「晃一くん、あきら君をどうにかしてください」

…だから、巻き込まないでほしいんだってば。だいたい、何で二人がこんな言い合いをしているか俺には分からない。でもまぁ、このままにするのもなんだから、先ずはあきらを止めることにする。

「あきら、お前が最初に悪口とか言ったんだろ」
「あー!こーちゃん、そうやって僕のこと悪者にするんだ!僕はただ、邪悪な魔王から君を護ってあげてるだけなのにっ」
「え、あの、魔王って…」
「もちろん、いんちょーのことだよ!」
「心外ですねー。俺は魔王ではありませんよ、ミジンコあきら君?」
「ミジンコじゃないよ!この泥棒ねこ!!」
「泥棒ねこだなんて、人聞きが悪いですよ。悪魔から晃一くんを救うんですから、救世主と言ってください」
「ねぇ、ちょっといんちょー、黙ってくれる?」

なんか、もう俺には手の付けようがない。っていうか、委員長ってあんなキャラだったっけ?随分イメージが…。あきらも、何でこんなにも委員長を敵視してるんだか。…それにしても、言い合いの中に何で俺が出てくんだよ?俺、関係ないじゃん。
喧嘩の理由も知らない俺は、今日も二人の間で頭を悩ませる。
いつになったらこの言い合いは終わるのやら…

- END - 





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