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「ねぇ、こーちゃんは僕のことどれくらい好き?」

いつものように一緒に下校していたとき、僕はふと思い付いた質問を投げ掛けてみた。
こーちゃんは、突然の質問にきょとんとしている。

「ねぇってば、聞いてる?」
「あ、…うん。聞いてるよ」
「じゃ、答えてよ。どれくらい?」
「う〜ん、どれくらいって言われてもなぁ…。言葉では表すの難しいかな」

少し照れたような顔をしながら、こーちゃんは答えてくれた。…たしかに、好きの程度を言葉で表すのは難しいかもしれない。そこで、僕は次の質問をしてみた。

「じゃあ、僕のどこが好き?」
「えっ、もうそういうのよくない?なんか恥ずかしいんだけど」
「だーめっ!答えてくださーい」
「はいはい。んっと……、全部」
「…君の答え、面白くないね」
「面白さいらない質問だったよね!?」
「そうだけどさ、もうちょっと何かあるんじゃないの?特に好きなところを一つ言ってみるとかさ」

僕が口を尖らせて文句を言うと、こーちゃんは「じゃあ、あきらはどうなんだよ」って聞いてきた。まさか聞き返されると思っていなかった僕は、きっときょとんとした顔をしているだろう。

「僕?」
「うん。あきらは、俺のどこが好きなんだよ」
「僕は…」

こーちゃんの好きなところ
こーちゃんの好きなところ…

いくら考えても出てくる答えは一つだけだった。

「…全部」
「あきらも人のこと言えないじゃん」
「だって、一つだけなんて選べないもん。こーちゃんの全部が同じくらい好き」
「俺も、あきらと一緒だよ。あきらの全部が同じくらい好き。だからさ、どこが好きかなんて考えなくてもいいだろ?」
「そっか。うん、そうだね」
「分かったんなら帰るぞ」

そう言ってこーちゃんが差し出してくれた手を、僕はしっかりと握った。
"君の全てを僕はずっと愛し続けるよ"という想いを込めて…
 
- END - 





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