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「ねぇ!小説リレーしよっ」
「「「は…?」」」

千鶴の唐突な提案に、春を除いた三人はあからさまに呆れ顔をした。

「…えっと、小説リレーといいますと?」
「ほら、前に漫画リレーってやったじゃない?あれは画力の差があり過ぎて失敗しちゃったから、今度は小説で同じことしてみようじゃないの!っていう提案なわけ」
「あー、塚原画伯の絵が天才的過ぎて失敗したって話?」
「…うるせぇよ」
「まぁ、そういうこと。だから、ねっ?やってみようよ!」
「でもさ、小説も才能に差があると思うんだけど」
「もう、ゆうたん!そんなこと言ってたら何にも出来ないよ!?」
「いや、このメンバーな時点で何にも出来ないから」
「えー!やろーよ!!楽しそうじゃん」
「そうですよ。楽しそうですし、やってみませんか?」
「「まぁ、春がそう言うなら」」
「ちょっと!その反応の違いはなんなの!?」
「はぁ、もう千鶴うるさい。早く始めよ」

…というわけで、リレー小説、始まりです!





一番目:浅羽 悠太
「できました」



【恐怖の学校】

『七不思議。それはどこの学校にでもあり、怪談として生徒の間で語り継がれている。…しかし、決して面白半分で語ってはいけない。だって、場合によっては本当に死の恐怖を味わうことになるのだから…。
これは、俺達5人が体験した、恐怖の七不思議にまつわる物語である。』



「…す、すっげー!」
「なんか、本物っぽいよね」
「はいっ。祐希くん、次、頑張ってくださいね!」
「はーい」






二番目:浅羽 祐希
「できましたー」



『俺達の学校では、ある七不思議が語り継がれていた。"3-4の窓際の一番後ろの席に座ると少女の霊に殺される"というものだ。俺は、こんな話まったく信じておらず、仲の良いA子、L美、E郎、J太を誘って夜の学校に忍び込んでみることにした。

確かに不気味さはあるが、幽霊なんているわけがない。明日は皆に笑って自慢話でもしてやろう、そう思いながら歩いていた。そうして目的の教室に入ったとき、俺は気付いてしまった。隣を歩いていたA子以外の3人が消えていることに。一体、どこに行ったんだ!?たしかに後ろを歩いていたのに!と辺りを見回していると、脳内に直接響くような声が聞こえた。"オレ達の屍をこえてゆけ"と…。』



「3人死ぬの早すぎだろ!」
「だって、5人もいたら色々めんどうじゃん」
「…で、でも、怪談内容とか名前が個性的でいいと思いますよ!」
「春、そこは皆あえて触れなかったとこだよ」
「って言うかさ、また出しちゃったよね!?"オレの屍を〜"ってやつ!ゆっきーどんだけ好きなんだよ!!」
「ちーがうよ。今回は"オレ"じゃなくて"オレ達"だもん」
「どっちも一緒だ、このバカ!」
「やっぱりゆっきーはもうダメだ。春ちゃん、次お願い」
「は、はい!頑張ります!」




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