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日付の変わる頃、そろそろ寝ようかと読んでいた本を閉じた。布団を被り目を閉じれば自然と眠気が襲ってくる。今日はそんなに疲れるようなことはしてないはずなんだけどな。
そんなことを考えながらうとうとしていると、突然体を押された。端に追いやられたのだ。

「…何すんの?」
「久々にお兄ちゃんと一緒に寝たくなったので」
「え、自分のとこ戻んなよ。狭い」
「やだ」

言うことを聞かず、布団に潜り込んでくる祐希。追い出そうとして体を起こせば、腕を引っ張られてそのまま祐希の隣へ寝かしつけられる。どんだけ甘えん坊なんですか

「ねぇ、自分のとこに戻っててば」
「やだ」
「もう、我が儘言わないの」
「………」
「祐希?」
「…悠太、大好きだよ」

ふいにポツリと吐かれた言葉には力がなく、弱々しかった。こんな風に言われたら、追い返せなくなっちゃうじゃん。だって…。
宥めるようにぽんぽんと背中を撫でてやると、心地好さそうに目を閉じる祐希。そんな祐希が愛しくて、護ってあげたくて、大好きで。包み込むように抱きしめながら、俺も目を閉じた。





(大好き)(その一言がいつもとは違った)

- END - 





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