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澄み渡る空が広がる屋上で、俺は寝転がって目を閉じた。心地好い風に、ちょうどいい日陰。まさに昼寝をするには絶好の場所で、俺は目を閉じて直ぐに眠りへと落ちた…



…懐かしい、夢を見た。
俺は一人、ぽつんと茂みの中にいた。ここは小学校の裏にあった森の中だ。意外と森は深くて、そこで俺は迷子になってるんだ。ボールで遊びながら悠太がくるのを待ってたら、そのボールが森の中に入っちゃって。追い掛けたはいいけど、帰り道が分からなくなっちゃって…。寂しいとか怖いとかは思わなかったけど、まずいなぁとは思った。帰れないかもって。少し歩いては休んでを繰り返したけど、だんだん疲れてきて、俺は木に身を預けてそのまま寝ちゃったんだ。そしたら…





「…き」
「…うき」
「…ゆうき!」

「……ん」

目を開けるとそこは森の中ではなく学校の屋上で、目の前には悠太がいた。そして、あの日と同じように少し笑って「みーつけた」と言った。

「もう、こんなとこで何してんの?捜したよ」
「んー、6時間目サボってここで寝てた」
「はぁ、授業はちゃんと受けなきゃダメだよ?」
「…だってめんどくさい」
「めんどくさいじゃないの。…ほら、帰ろ」
「うん」

悠太が差し出してくれた手をあの日と同じように握り、家に向かって歩き出す。
俺達を照らす夕日が、いつもより少し暖かく感じた。

- END - 





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