log | ナノ
例えばどちらかが女だったら、この恋は普通だと言えただたろうか?

…答えは否。
男同士という関係を取り払っても、双子であるという枠がどうしても俺達の関係を邪魔する。それなら、どちらかが女で二人は赤の他人であるならどうだろう?うん。これならいいかもしれない。一般の男女がしてる恋に何ら変わりないから周りにも認めてもらえる。デートだって、堂々とできるし。
…でも、少し考えて問題点を発見。しかも、とっても重要なこと。双子であるという枠をなくしたら、産まれたときからずっと一緒にいられるという特権がなくなることになる。それに、赤の他人同士なら一生のうちに出逢えるかどうかも分からない。だってさ、世界の人口は約68億人。日本だけでも約1億2700万人はいる。こんなにも多い人間の中で、"浅羽 悠太"という人物に出逢える確率はかなり低い。
…あれ?じゃあ、今出逢えてるだけで充分?さらに恋人だなんて。あぁ、なんだ。俺の考えすぎじゃん。
68億分の1の確率の中で悠太と双子に産まれて、お互いを好きになって、恋人になれた。
これって、すごい奇跡だよね。今日帰りがけにすれ違ったカップルを見て、自分も悠太と手を繋いだりして堂々とデートとかしたいなぁって思った。そこから始まった一人会議だったけど、そんなことする必要なかったんだ。だって、

「…出逢えなかったら悠太と結ばれるどころか、お互いを知ることすらできなかったもんね」
「…え、急にどうしたの?」
「ううん、何でもない」

ふとしたことから思い知らされた、俺達が出逢えたという奇跡の素晴らしさ。
今はただ、この奇跡に感謝をしようか。




(68億分の1の確率で結ばれる恋人達)(人はこれを運命の赤い糸とよぶのだろう)


- END - 





1/2

 
←back

×
- ナノ -