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…まただ。何なんだよ、この感覚。
時々、胸がしめつけられるような感覚に陥ることがある。しかも、最近気付いたけど、それはどうやらあの人を見たり、あの人の声を聞いたときにだけ出てくる症状。あの人が誰かに笑顔を向けているときには、その胸の痛みはなおさら酷くなる。…気持ち悪い。この得体の知れない胸の痛みは気持ち悪い。何かの病気?いや、違う。これはきっと病気なんかじゃない。もっと別の何か。でも、その"何か"が分からない。
今日も廊下を歩いているときにあの人が女子に囲まれているのが目についた。優しい笑顔を向けるその姿を見て、俺はまた訳の分からない胸の痛みに襲われる。苦しい…。この痛みは日ごとに増している気がする。
だって、見たくもないのにあの人が他の生徒と楽しそうにしている様子が目につくんだ。
…あぁ、そうか。俺は、あの人が他の生徒に囲まれているのが嫌なんだ。あの人が誰かに笑顔を向けるのが嫌なんだ。あの人が自分のいない空間で楽しそうにしているのが嫌なんだ。

俺はあの人が、先生が、好きだったんだ…。





嗚呼、なんてめんどくさい、俺の恋心


- END - 





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