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「僕、こーちゃんとは前世でも恋人だったと思うな」

部屋でゆったりと寛いでいたとき、あきらはぼーっと窓の外を眺めながらそう呟いた。
突然の呟きに、どうしたのだろうかとあきらの方に目を向ければ、彼はこちらを振り向いていつになく真面目な顔で話し出す。

「こーちゃんと僕は巡り合うべくして出逢ったと思うし、それが運命だったんじゃないかなって思うんだ」
「あきら?いきなり、どうしたの?」
「昨日、テレビで前世がどうのって話がやってたからそう思っただけ。こーちゃんも、そう思うでしょ?」

小首を傾げてくるあきらを見つめつつ、俺は答えに困る。そんなこと聞かれたって、前世がどうとか考えたことないし…。でも、そうであればいいな、とは思う。俺はあきらが好きだし、あきら以外を好きな自分なんて想像できないから。

「俺はそういうこと考えたことないけど、前世も来世も、隣にはあきらが居てほしいとは思うよ」

ゆっくり且つはっきりとそう告げれば、あきらは微笑みを見せた。そして、俺の目を真っ直ぐに見つめたまま静かに口を開いた。

「僕らはさ、永遠に切れることのない糸で繋がってると思うんだ。所謂、赤い糸ってやつで」
「切れない赤い糸?」
「そう。その糸は、何度僕らが死のうが生まれ変わろうが、また僕らを巡り逢わせる。…なんて。そうだったら素敵じゃない?」

そう言って再び窓の方に視線を戻したあきらの横顔はどこか大人びていて、いつもの小学生のような無邪気さはなかった。
そんなあきらを不思議な気持ちで眺めていたら、もしかしたらこんな話を昔の俺達もしていたのかな、なんて考えが頭に浮かぶ。
自分が生まれる前のことなんて分からない。もちろん、これからのことだって分からない。
でも、確かに過去も未来も、現在のように隣にはあきらがいるんだろう。
なんとなく、そんな気がした。




(窓辺で外を眺める君が一瞬)(違う人のように見えた気がした)

- END - 





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