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時折冷たい風の吹く、秋も深まった頃。俺達は校庭で落ち葉を掃いていた。
「ねー、こーちゃーん。もうつかりたー。帰ろうよー」
「誰のせいでこうなってんだよ!」
そう、あきらのせいで。
事の発端は、今日の昼休み。
屋上でお弁当を食べていた俺達は、いつも通りくだらないお喋りをしていた。そんな中で、あきらの気に障るようなことを言ってしまったらしい。あきらは思いっ切り空の弁当箱を投げた。当たったのは窓。これってデジャヴ?と嫌な予感がしつつ窓を見れば、当たった場所には小さなヒビがあった。
…これで2度目だ。最悪だ。そう思いながらあきらを連れて謝りに行けば、罰として落ち葉の掃除を命じられた。何故か俺も一緒に。これが、俺達が寒い秋空の中校庭で掃除をしている理由である。それなのにコイツは、帰りたいなんて…!
「ねー、こーちゃんってばー」
「だからね、あきら君。お前のせいでこうなってんでしょ?」
「うわー、責任転嫁とかやめてよね。こーちゃんが避けたから窓にぶつかったんじゃん」
「いや、そもそもあきらが弁当箱なんか投げるのが悪いでしょ」
「だって、他に当たると痛そうな投げる物がなかったんだもん!」
「だから、物投げるのが間違いなんだって!しかもわざわざ痛そうなの選ぶなよ!」
いくら抗議したって、あきらはどこ吹く風だ。自分に非があるなんて、これっぽっちも思っちゃいない。コイツの辞書には反省という言葉がないのだろうか?
俺がはぁー、とため息をついている横で、あきらはせっせと落ち葉を一ヶ所に集めて「終ーわり!」と箒を片し始める。
いやいやちょっと待て。あとは俺がやれってことなのか?ちり取りは俺がやれってことなのか!?
「…あきら、お前も最後までやれよな」
「え?何が?終わりじゃん」
「ちり取り。集めるだけ集めて放置じゃダメだろ?」
「何言ってんの?落ち葉集めたら焼き芋でしょ?ほら、こーちゃん買ってきてよ」
…あの、俺どうしたらいいですか?
もうツッコめない!ツッコめないよ!だって、罰として落ち葉掃除させられてたんだよな?そっからさも当たり前のように焼き芋にたどり着く思考が理解できないよ!一人頭を抱えていると、あきらに「早く買ってきてよ」と急かされた。しかも飛びっ切りの笑顔で。もう、本当に誰か助けて…。
東晃一、今日もあきらに振り回されっぱなしです。
- END -
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