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やっと終わった…。
ふぅ、と息を吐いて伸びをする。窓に目を向ければ、外は既に真っ暗。残ってる生徒なんてほぼいない、最終下校時間間近だ。
最近毎日のように残って生徒会の仕事をしている。それというのも、生徒会長の奴が盲腸だかなんだかで入院してしまったからだ。結果、俺はその分働かなきゃいけなくなったわけで…。まぁ、んなこと言ったって仕方ないんだけど。
「さて、と」
今日書いた紙は担当の先生に提出しなきゃいけないけど、帰ったりしてねぇかな?いなかったら机の上に置いとけとか言ってたから、別にいなくても問題はないけど。
そんなことを考えながら職員室に向かい、戸を開けるが人はいない。まだ学校は閉まってないから誰かは居るはずなんだけど、おかしいな。
「失礼します」
ただちょっとトイレとかで席を外してるだけだろうと思い、担当の先生の机の上に書類を置いて帰ろうとしたら、見付けた。
机に突っ伏して東先生を。
「先生?」
声を掛けてみるものの返事はない。近付いてもう一度声を掛けた後、聞こえてきたのはすーすーという寝息。…寝てやがる
きっと日直かなんかで残って仕事してたんだろうけど、寝ちゃったんだろうな。最近あまり寝れてないって言ってたし…
「…ったく、しょうがねぇな」
気持ち良さそうに寝ている先生を起こすのはなんだか気が引けて、今日春がくれたチョコと手紙だけ置いて帰ることにした。照れ臭いから自分の名前は書かなかったけど。
「…あんま無理すんなよ」
先生の頬にキスして帰ったのは俺だけの秘密…
(要くん、チョコと手紙ありがとう)(えっ、何で分かったんですか!?)(んー、何でだろうね)
- END -
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