A requiem to give to you
- 破滅の未来とフォミクリー(6/6) -




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これ以上は手掛かりが掴めそうになく、一行は次にレプリカについて調べると言うことでラーデシア大陸にあるワイヨン鏡窟へと向かうことになった。しかしタルタロスに向かう道中でガイが自分はルークを迎えに行くと言ってこれ以上の同行を断った。

ルーク達が地上に戻る手段としてアラミス湧水洞を通るだろうと言う事で、一先ずダアト港へ向かう事となった。

タルタロスを自動操縦に切り替え、ヒース達はそれぞれの時間を過ごす事となり、彼は周りに誰もいない事を確認すると先程から……正確にはユリアシティにいた時から偶に聞こえてくる会話に集中した。



『レプリカ……か。やっぱり俺は、お前のコピーだったんだな』

『そうだ。ヴァンが七年前に俺を誘拐し、コーラル城に監禁してあの巨大譜業装置でお前を作った』

『でも、なんで師匠はそんな事を……』

『………今はそれを気にしている場合じゃねぇ。今やるべき事は現状の理解だ。少しでも奴の目的を把握しとかねぇと、これからもっと多くの犠牲が出る』



ユリアシティでルークが昏倒して暫くしてから聞こえるようになった会話。どうやら彼らの中でのみ行えるやり取りのようで、会話の内容からルークの意識がアッシュの中にあるらしい事はわかった。確かにこれではルークが目覚めるわけはない。



(この間の治癒術もそうだけど……第七音素との同調がとてもしやすい気がする)



寧ろ能力を使わなくても同調することがあるくらいだ。まるで初めからその力を持っていたかのように、自然と体に馴染んでいる。



(でも、本来僕達は譜術が使えない筈……なんだけどなぁ)



能力で変換して魔術を使役するレジウィーダや霊魂のフォンスロットを介して譜術が使えるタリスは一応、納得出来なくはない。自分やグレイにはそんな能力はないのだから本来ならば出来ない筈だった。しかし、グレイは度々使っているところを見たことがあるし、ヒースもまた治癒術が使えるようになった。後者に関しては能力の関連性はなくはなさそうだが、それでも前者に関しては不可解な点が今更ながら浮かんでくる。



(これ、地球に帰ったら……ちゃんと元に戻るんだよな?)



帰ってからもこのままだと、色々と世界の理を壊しそうだ、と思わず溜め息を吐かずにはいられない。その辺も併せて、今度トゥナロに会ったら聞いてみるか、とヒースは考えるのをやめた。






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「ん、…………んー?」



ぱちり、そんな効果音がつきそうな程スッキリと目が覚めた。そのまま体を起こせば、先日の怪我などなかったかのように軽々とした動きに思わず感嘆を漏らす。



「うーん、よっく寝たなー」



あれから何日が経ったのだろうか。辺りを見渡すと見覚えのない部屋。綺麗に整ってはいるが、恐らくここは客室か談話室なのだろうとアタリをつける。

夢(?)の中でトゥナロと会話したような気がするが、恐らく気のせいではないのだろう会話の内容を思い出し、レジウィーダはうーん、と首を傾げた。



「一応、もう何ともなさそうだけど……いつまで能力使っちゃダメなんだろう」



多用は出来ないとは言え、全く使えないのは困るのだ。体術も出来るが、打撃に弱いので臨機応変に長短両用で動けるに越した事はない。そう思ってなんとなしに自分の右手の甲を見て、固まった。



「あ、え…………」



サァー……と、血の気が一気に引いていくのを感じる。いつもならそこには緋色に輝く生命の石が着いている。しかし今はその輝きはなく、ど真ん中から綺麗にひび割れて壊れてしまったソレが辛うじて着いている状態だった。











やっちまったぁあぁぁぁああぁっぁぁーーーーっ!!



そんな大絶叫を上げ、驚いた数名が部屋に駆け込んでくるのもそう遅くはなかった。










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