※ヒロイン=ELS


 わたし達の星は、大好きだったこの場所は、もう、そう永くは保たない。だから、わたし達はこの星の外側に、新しい居場所を、助けてくれる誰かを求めた。身体を分けて、真っ暗闇の外側に飛び出したのだ。
 けれど、話を聞いてほしくて同化すればみんな動かなくなるし、同じ姿を作ってみても誰も返事をしてくれない。どうして? ねえ、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして! わたしの声が聞こえているでしょ? どうして聞いてくれないのどうしてわかってくれないのねえお願いだから応えてよ!
 苦しくて悲しくて、もう他にどうすればいいのかわからなくて、最初の内はそんな風に喚き散らしたりもしていたけれど、それにももう疲れた。どれほど遠くへ行ってしまったのか、旅立ったあの子達の声も聞こえなくなって久しい。
 もしも、あの子達が帰ってこなかったらどうしよう。あの子達だけでも生き残れるなら、それでもいい。けれど、どこかで力尽きたりしていたら。

(……あ、れ?)

 幾度目かもわからない不安に苛まれるわたしの中に声が響く。こんなことは初めてだ。あの子達じゃない、知らない声が聞こえるなんて。
 ……もしかして、あの子達が呼んでくれたの? あなたはわたしの話を聞いてくれるの? わたし達を拒まないで、わかってくれるの? わかろうと、してくれるの? ねえわたしずっと探していたのずっと待っていたのよあなたみたいなひと、わたしの声を聞いてくれるひとを、ねえ、わたし何か間違ってしまったのかしらだからこんな風になってしまったのかしら、ねえ――、
 本当は、たださみしかっただけなのに。



ああおまえも ないているのか(いや もうずっとずっとずっとながいことたったひとりでないていたのか)
title:選択式御題

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