夜、たーくんがこっそり俺にくれた携帯を持って家の外に出る。

「たーくん。俺、やっぱり、高校生になるまでは…」

『いいって。家族は大切にしぃや。俺には家族、居たことないから、アキラには大切にしてほしいって思う。週末とか、たまに遊びに来てくれたらええし、デートもしてくれたら、それでええ』

「本当に? 俺がいなくて、平気?」

『じゃあ、俺の部屋に監禁したろうか?』

「えー」

『笑うなって』

「じゃあ、どう反応しろって言うんだよ」

『わからへん』

「なんやねん、それ」

『俺の変な関西弁、うつりつつあるな、アキラ』

「うわ、たーくんのせいだ」

『責任ならいくらでもとりますよ、アキラ』

「じゃあ、高校生になるまで、待ってて」

『嫌や』




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