「……アキラ、アキラって、すごいねんな」

朝、新聞を片手にたーくんは呟く。俺は意味がわからなくて「どうしたの?」と聞いた。

「一面飾ってる」

「は!?」

ふてくされた顔をしてたーくんは俺に新聞紙の一面を見せてくれた。いや、これ、作文コンクールに先生が出すって言って勝手に出されて、なんか、先生に写真とられたことは覚えているが……

「何これ」

どうして新聞の一面を飾っているのか?

「俺が聞きたいんやけど、アキラ」

「知らんよ、俺。先生が俺の書いた作文をどっかに送ったことと、後、写真送りたいからってとられたことしか、覚えてないし。ほら、これ、教室だろ」

「そうやけど、二人きりやったん、この写真とる時」

「ああ、まぁ……な」

「変なことされてへん?」

「されるか!」

「そうやんな。よかった…て、アキラ、テレビテレビ見て!」




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